虫歯がうつるって本当? そのメカニズムは? どうすれば防げる?
虫歯がうつるって本当?
「虫歯って人にうつるんだって!」
と聞いたらあなたはどう思いますか?
「ウイルスや伝染病じゃあるまいし
虫歯が他の人にうつるワケないでしょ~」
ふつうはそう考えますよね?
例えばカゼやインフルエンザが人にうつるのは
空気感染や手についたウイルスなどが原因です。
近くにいた人がくしゃみをすると
カゼのウイルスが部屋の中にばらまかれます。
その空気を吸い込めばウイルスが体の中に入り
カゼがうつってしまいます。
例えば公衆トイレのドアノブ。
ここはいろ~んな人が触りますから
ウイルスがついている可能性もあります。
そこをあなたが触れば手にウイルスが付着します。
その手で鼻や口をいじれば体にウイルスが入り込みます。
このように原因となるウイルスが
自分の体の中に入ってしまった時に
その病気が“うつる”わけです。
「でも虫歯はウイルスとは関係ないから
そんなことは絶対にないんじゃない?」
本当にそうだと言い切れるでしょうか。
実は虫歯もうつるんです!
ちょっと信じられないかもしれませんが
その理由を以下に説明しますね。
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虫歯がうつるメカニズム
虫歯がなぜうつるのかを知るためには
虫歯のメカニズムを理解する必要があります。
そもそも人はどうして虫歯になるのでしょうか。
その条件は次の3つです。
2) 基質(食べ物,特に糖質)
3) 微生物(歯垢)
この3つの条件が重なってしまうと
私たちの歯は虫歯になってしまいます。
その具体的なメカニズムですが
食べ物の中の糖質が歯垢とくっつくと
“酸”に変化します。
酸はものを溶かす力が強いので
この酸が歯を少しずつ溶かしていきます。
一日で溶ける量はごくわすがですが
時間の経過とともに溶ける量も増えていき
最後には虫歯になってしまうのです。
つまり問題はこの“歯垢”です。
これが虫歯を引き起こす大きな原因なのです。
歯垢というと食べ物の“残りカス”みたいに
考えている人も多いと思います。
実はこの歯垢の正体というのは
歯のネバネバに虫歯菌がくっついたものなんです。
つまり虫歯菌の“塊”ってわけです。
「キャ~~~ッ!」って感じですよね。
人間の口の中には約400種類の細菌がいますが
この中の「ミュータント菌」という細菌が
ネバネバを作るもとになっています。
ミュータント菌は糖分をエサにして
口の中にネバネバしたものを作り出します。
虫歯菌はこのネバネバが大好き!
ネバネバをエサにして歯垢をどんどん増やします。
つまりカゼやインフルエンザと同じように
虫歯の原因も“虫歯菌”という細菌だったのです。
そのため人にうつる可能性もあるわけです。
例えば子供に口移しで食べ物を与えたり,
恋人とキスしたり, 家族と食器を共用したりすると
口内の虫歯菌が他の人の口に移動します。
さきほどのミュータント菌も
実は外部から入り込んだものなんです。
その証拠に生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には
このミュータント菌は存在しません。
大人たちが自分が使ったスプーンやお箸で
赤ちゃんにものを食べさせることで
ミュータント菌が赤ちゃんの口の中に入り込むのです。
ですから,極端な言い方をすれば
多くの親御さんたちが自分の愛する子供に
ミュータント菌を“感染”させているわけです。
もちろんあなたの口の中が清潔で
ネバネバが少なく歯垢がたまっていなければ
そう簡単にうつることはありません。
でも,もしそうでないとしたら
人にうつす可能性も,そして人から移される可能性も
グ~~ンと高くなってしまうのです。
ではどうすれば虫歯菌の“感染”を
防ぐことができるのでしょうか。
その方法を次の章で見ていきましょう。
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虫歯をうつさない,うつされないためには
虫歯を生み出す3つの条件を
もう一度思い出してみましょう。
2) 基質(食べ物,特に糖質)
3) 微生物(歯垢)
この3つの条件がそろった時に
人の歯は虫歯になってしまいます。
虫歯を予防するにはこの3つのどれかを
シャットアウトすれば良いのです。
でも現実問題として
糖質をシャットアウトすることはできませんし
ミュータント菌を完全に死滅させることも不可能です。
そのため1と2は自然に除外されます。
そこでポイントとなるのが
3つめの「微生物(歯垢)の除去」です。
虫歯菌は口のなかのネバネバを
エサにしてどんどん増えていきます。
しかもそのプロセスは食事が始まってから
わずか2~3分後には始まっています。
つまり食事をしている最中から
虫歯の進行がすでに始まっているというわけです。
ということは!
食べた後に歯磨きをしても
すでに手遅れということになります。
そのため食事の前に
このネバネバをしっかりと取り除いておくことが
最も効果的な虫歯予防となるのです。
そのためにはどうすればよいのでしょうか。
答えは超簡単!食事の前に歯を磨くことです。
目的はネバネバを取ることですから
歯磨き粉をつけずにそのままかる~くブラッシング。
たっここれだけでネバネバが取れ
虫歯菌の増殖を防ぐことができます。
ちなみに味噌や豆腐などに含まれている
“グリシン”というアミノ酸は
ミュータンス菌の増殖を抑える働きがあります。
味噌汁をしっかり飲むことで
虫歯予防の効果も期待できるというわけです。
さらに食後に歯磨き粉をつけてしっかり磨けば
虫歯対策は万全です。
自分だけの問題ではすまない虫歯。
大切なお子さんや恋人にうつさないためにも
常に気を配っていきたいですね!
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